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~なぜ織物壁紙なのか~ 新発売トミタ『ORI』織物壁紙
Posted date 2022.09.28
トミタから3年ぶりに発売された壁紙コレクション『ORI』は
大変こだわりのある織物壁紙のコレクションです。
海外からはデザインやカラー豊かな様々な壁紙が短期で更新され発表される中、
なぜ今、織物壁紙のコレクションを発売するのか?
なぜ織物なのか?
まず最初にそれをとても疑問に思いましたが 皆様はいかがですか?
tomitaTOKYOショールームへお邪魔して『ORI』コレクション発売に至った経緯を
株式会社トミタの冨田社長 そしてスタッフの皆様からお話を伺いました。
~日本の壁紙は99%がビニールやプラスチック系の素材です~
世界中の脱プラスチックの動きは周知の通りですよね。
地球への重大な負荷を阻止すべく世界中で様々な取り組みがなされています。
ところが日本の壁紙は今だ99%がビニールやプラスチック系の素材の壁紙です。
そもそも、真っ白なビニール壁紙が日本の主流になったのは
戦後の高度経済成長期に加速した戸建てや集合住宅の建設ラッシュ時に
大量生産で安価、楽な施工、工期も短く済むために採用されたのがビニール壁紙でした。
以前には、漆喰や聚楽壁など左官屋さんが丁寧に時間をかけて作り上げる壁ががありました。
そして織物壁紙も存在していました。
その後、塩化ビニールから発せられるホルムアルデヒドなどの有害物質による
シックハウス症候群なども大変な社会問題となりました。
現在ではビニール壁紙に対する化学物質の規制が設けられ、安全基準を満たす物のみが商品となっています。
ですが、人には安全になったものの地球環境へは優しくはないビニール壁紙ばかりが使われ続けています。
地球への環境負荷になっている塩化ビニール。
インテリア性に全く欠ける量販品の真っ白な壁紙を学生が下宿するようなアパートから
一生に一度のお買い物として建てた注文住宅にまで
同じ様なビニール壁紙を使っているような国は世界中を探しても日本だけだとおっしゃいます。
~高度な伝統工芸技術を繋ぐ~
日本には昔から和紙や織物、箔などの高度な技術と素晴らしい工芸文化がありました。
それら自然素材を伝統技術で作り上げた豊かな室礼もありました。
織物壁紙もその一つです。
残念なことに、多くの人はそれを全く知らずに過ごしてきてしまっています。
木や植物、鉱物などの自然素材は時が経つことにより変化する姿は風合いとなります。
ところがビニールやプラスチックはどうでしょうか・・・。
世界中の歴史ある建物やアンティークと言われるものなどがそれを教えてくれています。
技術を受け継ぐ職人も制作場所も時とともに失われつつあり
日本の文化としては危機的な状況です。
海外ではアートやクラフト、芸術的なものに対して高く評価する文化があります。
日本では失われつつあるものが逆に海外で正しく価値を評価されているため
トミタのコレクションはとても人気があります。
素晴らしい織りという伝統技術、商品をもっと知ってもらいたい、
後世に繋げていきたいという思いで今回は織物壁紙に焦点を当てコレクションを作りました。
~ストーリーを知り増す喜び~
織物一つ一つに糸からのストーリーがあります。
生産者、技術者、織物壁紙が出来るまでに関わったたくさんの人の思いが織り込まれた『ORI』織物壁紙コレクション。
ぜひそのストーリーと共にたくさんの皆様に織物壁紙を楽しんで頂きたいと思います。
どこにも真似出来ない、トミタのこだわりが詰まった本物の織物ならではの表情の豊かさ、
空間が全く違う空気感を纏う面白さ、
そのストーリーを知るとさらに共感や喜びに満たされます。
ぜひ織物壁紙『ORI』を通じて本当に良いものに触れ、インテリア空間を創造して下さい。
いかがですか?
織物壁紙はインテリアのプロの方でもじっくり御覧頂く機会はあまりなかったのではないかと思います。
これを機にプロの方にも一般の方にも織物壁紙をご覧頂けたらと思います。
弊社ブログにて随時商品のストーリーをご紹介してまいります。
ですがやっぱり実物を見て触れて頂くことが何よりです。
実際に見て触れると本当に楽しく感激があります。
ぜひショールームへ足をお運び下さいませ。