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贅を尽くした昭和近代和風建築「遠山記念館」
Posted date 2022.02.17
こんにちは。
今年は降雪日も例年より多く寒さも続いておりますが、
まん丸い梅の花の蕾が開いていく姿を見ると春もすぐそこかなと感じます。
先日、国の重要文化財ともなっている遠山記念館を見て参りました。
日興證券(現SMBC日興証券)の創立者である遠山元一氏が母のために建てた昭和初期に建築された邸宅です。
現在は、邸宅・庭園・美術館という構成で一般公開されています。
内装はどの部材も一切の妥協なく最高級の逸品を揃えたそうです。
建築当時は、全国各地から一級の銘木や部材、最高の建築技術を持つ大工・左官を集め
動員された人数は3万5千人に上ったそうです。
学芸員さんのお話によると今でも全国の左官職人や建築関係の方が訪れ
「いったいどうやって作ったのか? 凄い!」と仰るそうです。
その当時の匠の技は残念ながら戦争によって多くが途絶えてしまったそうです。
遠山氏が御存命のころは迎賓館として吉田茂首相や御皇族の方などの要人も多く訪れたとのことでした。
写真撮影も可とのことでしたのでぜひご紹介させて頂きますね。
畳敷きのどこまでも続くような大変広い廊下でした。
どこの部屋の天井を見ても伝統工芸に溢れていました。
網代天井の美しいこと!
矢羽根編みや市松編みなど様々な模様の網代天井が見れ、圧巻です。
象嵌の装飾、素晴らしい刺繍の生地で面材を覆われた家具。
水色と白の色合わせがモダンですよね。
照明はどれもデザインが異なり、とても凝ったものばかりでした。
タッセルがついているなんて驚きました。
襖や建具のデザインもとても素敵。
大紋の高麗縁で格式の高さが表れています。
掛け軸が季節に寄り添いすてきでした。
アートはインテリアに大事だなとつくづく思います。
こちらの壁は墨差しという左官づくり。
中に埋めた木枠が白く浮き出てこんな模様を生み出しているそうです。
壁は土に含まれた砂鉄が錆びて黒くなり、漆喰を塗り防錆加工を施された木枠部分は変色せずに浮き出ています。
こちらの大広間の壁は本霞壁(ほんかすみかべ)というそうです。
粉砕した柘榴石(ざくろ石)つまりガーネットが壁材になっている大変贅沢なもの。
キラキラとした紫色で天井とのつなぎは石膏置き引きでしょうか。
まるでomexcoの壁紙とモールディングとの合わせみたいで驚きました!
今にも通じるベルギーインテリアの世界観がありますよね。
他にも蛍壁やホーローの様に輝いてツルツルした紅色の大津磨きの大変貴重な壁がありました。
土壁とは思えない!材料も左官技術も特殊なものだそうです。
色もツヤ感もあまりに現代的でリフォームしたものかと勘違いしてしまうものでした。
遠山記念館ではそのような13種類もの特殊な壁を見ることが出来ます。
床柱は今では取ることが出来ないという大変希少な天然の北山絞丸太とのこと。
人工の絞りではないということ凄いですよね。
欄間のデザインもとても美しく日本建築ならではのものでした。
柔らかくとても薄い桐を透かし彫りすることはとても難しく高い技術がいるそうです。
十畳のお部屋にいっぱいに飾られたひな壇。
本当に凄いお雛様が展示されていました!
美術館の方には「雛の世界展」ということで
江戸時代からのとても古い様々な雛人形が展示されていました。
江戸のもの、京都のもの、様々な姿のお人形を楽しめます。
大変貴重な木材や壁材、一流の技術を持って作られた意匠性の高い邸宅を見ることができ感動でした。
本当に上質なものはやはり時代を経ても美しく、輝きは増すばかりなのだなと思いました。
壁材としては弊社が取り扱う Art Wall LEGEND アートウォールレジェンドがまさにこの価値観に値します。
桐・楮・金銀箔を伝統的な職人技と革新的な手法により新たな壁装材として作り上げているアート ウォール レジェンド。
楮和紙の技術。
この先も素晴らしい伝統技術とその品が継承されてほしいと願います。
やはり、良いものは良い。
言葉が出ませんがただそれに尽きました。
意匠性の高い空間づくりの一つにぜひ弊社の商品をご採用下さい。
アートウォールレジェンドはショールームでご覧いただけます。